新地メモリー 飛田新地② 前編
あれは確か社会人2年目くらいの出来事だった。
大阪に住んでいたオレの元に地元からツレが遊びに来たのだ。
一緒に動物園前に串カツを食いに行った。
一人はアキラ、もう一人はユウキ。
2人とも中学からのツレで各々仕事を頑張っていた。
アキラはどちらかというとモテた方で高校の時に童貞を卒業していた。
オレはまともな彼女は出来たことがないがこの時には一応素人童貞は卒業していた。
ユウキは一度も彼女が出来たこともなく、風俗も未経験のバリバリ童貞だった。
そんな3人でカウンターの端の方で串カツを食っていると隣に美人OLの4人組がいた。
そのうちの一番俺たち側に座っている女性が美しすぎてシャイなオレとユウキは緊張していた。
なんだかんだ飲みテンションが上がってきたタイミングでOL4人組は食事を終え、レジに向かっていった。
そのタイミングでアキラが「いけユウキ!チャンスや!」とアキラにナンパを促した。
立ち去る女性を目の前に「いけ!チャンスや!」と言われたユウキは女性グループの行方を確認すると、
おもむろに手を伸ばし、1番手前の美人OLの飲み残しのグレープ酎ハイを美味そうに飲みだしたのだ。
ドン引きである。
立ち去る女性を目の前に、「いけ!チャンスや」と言われればナンパを考えるのが一般的だと思う。
しかし我らがユウキは躊躇なく美女の飲み残しを無断で飲むという、性犯罪者予備軍のようなことをしれっとやってのけた。。。
一瞬時が止まったが美味そうに酎ハイを飲み干し、氷までボリボリ食べるユウキを見て俺たちは爆笑した。
酔っていたのもあり変なテンションになっていたというのもある。
ユウキは3.4個残った氷を今度は1席奥のOLのグラスに移すと、自分の飲みかけのライム酎ハイをそこに移し、「OL酎ハイの出来上がりや!」と大喜びで飲んでいた。
オレはOL酎ハイを美味そうに飲むユウキに軽く嫉妬をした。
なんだかんだ楽しく新世界で串カツを食し、その後はアキラの熱い要望に答え飛田新地を案内することになった。
アキラとユウキははじめて見る飛田新地の光景に感動しながら嬢を眺めていた。
最初は見るだけと言っていたがそこは若い男3人、せっかくだし一戦交えようという流れになった。
OL酎ハイで意気揚々のはずのユウキはニヤニヤしながらも突然の筆下ろしの流れに緊張してきたようで、
新地の外れにあるたこ焼き屋の横に座り込むと
「決めきれん」 「マジで緊張してきた」などと言いながらタバコを3本ほど連続で吸っていた。
そしてタバコの吸いすぎで気持ち悪くなったのか公衆便所に駆け込みゲロを吐き出した。
便所から戻り赤紙が届いた兵隊のような面持ちで座り込むユウキを見かねたオレとアキラは相談し、決めきれないユウキの代わりに真面目に嬢を選んであげようというながれになった。
ユウキは「そっちの方がいいわ!マジで頼むで!一生記憶に残ることなんやからな!」
と名言を放つとオレとアキラに挟まれるような形で嬢選びについてきた。
もはやOL酎ハイを飲んでいた時の勢いは見る影もなくなっていた。
しかし今回限りは自分の射精より親友の射精が大事である。
オレはマジでユウキに良い思いをして欲しいと思い必死に嬢を探した。
程なくしてとある店の前に立ち止まりユウキに確認を取った。
オレ「あの子どう?」
ユウキ「優しそうやな。綺麗やし巨乳や。」
オレ「性格も良さそうやしあの子に決めたら?」
ユウキ「そうするわ!決めるわ!」
やりてババア「お兄ちゃんおいで!迷ってるんやったら絶対この子に入るべきや!サービスいい子やで」
ユウキ「はい…お願いします!」
アキラ「あ!こいつ童貞なんで優しくお願いしまーす!」
オレ「ギャハハハ‼︎‼︎ それは言いすぎやろ!」
ユウキ「や、辞めろや!変なこと言うなや‼︎」
嬢「そうなん?お兄さんありがとう♪よろしくね♡」
ユウキ「よ、よろしくお願いします。」
こんなやりとりを店前で交わすと、もう一人嬢がいるというのでオレはユウキの初体験の音声が聞けたら面白いと思い同じ店に入った。
後半に続く
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